
ホコリは“汚れ”というより物理(帯電)と気流の問題。拭いても積もるのは、再付着の仕組みを断てていないからです。ここでは、湿度45〜55%の管理、帯電防止拭き、高所→低所の順序を軸に、週1で差がつく実践プロトコルを公開。テレビ裏・配線・鏡面家具まで、手の動かし方とNGも明示します。
目次
この記事のゴール
- ホコリの発生・浮遊・再付着の3工程を断ち切る
- テレビ・配線・棚上の静電吸着を抑える
- 週1回・30〜40分で見た目と空気感の差が出る状態を維持
ホコリが溜まる理由(超要約)
- 供給源:繊維クズ(衣類・布)、皮脂・垢、紙粉、外からの花粉/土
- 浮遊要因:人の動き・エアコンの対流・帯電で舞い上がる
- 再付着:静電気(+乾燥)で吸着 → 黒い家電、コード、光沢面に目立つ
対処の順番:空気の動線設計 → 湿度管理 → 帯電抑制拭き → 供給源の断捨
まず決める「基準値」
- 湿度:45〜55%(冬は40%下回らない、梅雨時は60%超に注意)
- 掃除開始位置:高所→低所、奥→手前(落下&巻き上げを前提)
- 可視基準:テレビ黒面・ローテーブルの指跡が残らない状態
準備物(最小装備)
| 用途 | 道具 | ポイント |
|---|---|---|
| 静電気抑制拭き | 帯電防止スプレー or 帯電防止ワイパー | 家電・配線・鏡面家具に。表示は“帯電防止/静電気防止” |
| 乾拭き・捕集 | 高密度マイクロファイバー(毛足短/中)2〜3枚 | 色分け運用:黒=家電、灰=棚、白=テーブル |
| 湿拭き | 中性クリーナー希釈液 + 霧吹き | 皮脂系や手垢に。仕上げは乾拭き |
| 床ダスト回収 | 静音モードの掃除機 or ドライモップ | 排気で舞い上げない設定を使う |
| 空気流制御 | サーキュレーター | 掃除時は低〜中で壁沿い送風、換気と併用 |
| 湿度管理 | 加湿器/除湿機 + 湿度計 | リビングで見える位置に設置し日次確認 |
代替:帯電防止がなければ弱アルカリ電解水で軽く湿拭き→乾拭きでも一時的に静電抑制可(ただし素材適合を後述表で必ず確認)。
週1ルーティン(30〜40分)
所要:2DKリビング目安
準備:窓1か所を10cm開ける+玄関側も少し開放(ゆるい通風)
- レイアウト5分:供給源を止める
- ブランケット/クッションを衣類用粘着クリーナーで1往復 → 毛羽の供給を減らす
- ソファ座面を手のひらで軽く叩き、直後に掃除機で回収
- 高所→低所10分:帯電防止ドライ拭き
- 吊戸棚・額縁・照明カバー上面を帯電防止ワイパーでなでる
- TV裏パネル → サウンドバー → セットトップBOX → 配線束の順に1方向で拭き、最後に配線に帯電防止スプレーを軽く(直接噴霧せず、クロスに含ませて拭く)
- ミドルゾーン10分:皮脂・手垢の除去
- リモコン/ゲームコントローラーを中性洗剤希釈の湿拭き → 乾拭き
- ローテーブル天板は木目なら木目方向に一筆書きで拭き抜け
- ピアノブラック面は圧をかけず“面で滑らせる”→微細傷を防止
- 床・巾木5〜10分:舞い上げない回収
- 掃除機は静音/弱+ヘッドの高さは最小、壁沿い→中央へ
- 巾木(壁の下の見切り材)をドライモップでなでて回収
- 仕上げ3分:空気を“整える”
- サーキュレーター中で壁沿い送風し、窓方向へ気流を作る(2〜3分)
- 湿度計を見て45〜55%に着地するよう加湿/除湿を微調整
所要時間短縮TIP:配線は面ファスナーで束ね、床から浮かせると拭き面積が半減。
日次ミニ習慣(1〜3分)
- TV画面/黒い棚の指跡が見えたら:帯電防止クロスで1往復
- ローテーブルにコップ跡を見たら:中性洗剤湿拭き→乾拭き
- 帰宅後:加湿器の水量を確認、湿度45〜55%に調整
- 夜の換気:入浴後の湿気をリビングへ持ち込まない(浴室は換気強)
素材別:拭き方・NG早見表
| 素材/部位 | OKな手順 | NG/注意 |
|---|---|---|
| TV・家電の樹脂/光沢面 | 帯電防止クロスで乾拭き→必要なら中性湿拭き→乾拭き | アルコール強拭きで白化、メラミンで艶落ち |
| 木製(オイル/ワックス) | 弱めの中性→乾拭き。木目に沿って | 水浸し、クエン酸で塗膜劣化 |
| ガラス/ミラー | 中性→スクイジー→乾拭き | 粉末研磨剤で細傷 |
| 金属(ステンレス) | 中性→繊維方向に拭く→乾拭き | 塩素系・酸性の混用、メラミン連用で艶ムラ |
| 革(ソファ) | 乾拭き→専用クリーナー→保革 | アルコール濃度高いものでひび割れ |
| ディスプレイ画面 | 専用クリーナー or 乾拭き | 家庭用ガラスクリーナーはコーティング剥離リスク |
静電気コントロールの要点
- 湿度45〜55%:帯電量が桁違いに下がる
- 導電パス:配線・家電は帯電防止クロスで仕上げ拭き
- 素材選択:黒のピアノ塗装家具は帯電しやすい→上面だけでもマットなランナーを敷く
- 衣類発塵:フリース/起毛ブランケットはリビング滞在中は畳んで収納
- 足元:化繊ラグはホコリが立ちやすい→短毛 or 低パイルに見直し
空気の流れを整える(再付着を防ぐ)
- 換気は窓1:玄関1の弱い対角通風がベスト。全開にすると乱流で舞い上がる
- エアコン送風は風量自動/上向きで天井沿いに回す
- サーキュレーターは壁沿いに当てて、渦を作らないのがコツ
TV/ゲーム機/配線まわりの徹底対策
- 配線は壁から2〜3cm浮かせ、面ファスナーで束ねる
- たこ足の上面を面で一方向に拭く(往復しない=再付着防止)
- ゲーム機の通気口はエアダスター多用NG(内部に押し込みやすい)→吸引で回収
- 週1でHDMI切替器/ハブの天面も帯電防止拭き
よくある失敗と復旧手順
- 黒い天板がすぐ白っぽくなる
- 原因:乾燥+帯電。→湿度を+5%、帯電防止で仕上げ拭き。ランナーを追加
- TV画面にムラ
- 原因:洗剤の濃すぎ/布の繊維残り。→専用クリーナーに切替+超極細クロスで一方向
- 拭いてもベタつく
- 原因:皮脂/シリコーン汚れ。→中性洗剤を規定濃度で湿拭き→乾拭き→30分後に再確認(再浮き対策)
チェックリスト
週1
- ブランケット/クッションを粘着クリーナー
- 高所(額縁/照明)→帯電防止ドライ拭き
- TV裏〜配線束→帯電防止拭き
- ローテーブル/棚→中性湿拭き→乾拭き
- 床/巾木→弱風量で回収
- 湿度45〜55%に調整
日次(1〜3分)
- 黒面に指跡を見たら帯電防止で1往復
- 加湿器の水量チェック
- 窓と玄関で弱い通風(天候に応じて)
FAQ
Q. 帯電防止スプレーがない時の代替は?
A. 電解水 or 中性洗剤薄めで軽い湿拭き→乾拭きで一時抑制は可能。素材適合を表で必ず確認。
Q. ロボット掃除機だけで十分?
A. 上面の帯電抑制拭きが必要。ロボットは床の回収は優秀だが、家電上面/配線は別途対応が必須。
Q. 冬の乾燥で帯電がひどい
A. 加湿+マット素材の見直し+衣類の起毛抑制(ブランケットを収納)を同時に。
まとめ
今日からの週1ルーティンで、テレビ周りの白っぽさ・床のざらつき・配線のベタつきが目に見えて減るはずです。数値は湿度45〜55%、手順は高所→低所/一方向拭き。型が決まれば迷いはゼロ。“戻りづらい清潔”を標準装備にして、メンテ時間を短縮しましょう。





















