管理しているマンションやアパートの入居者から、付近の号室から異臭や廊下や外からみたベランダ、バルコニーがゴミだらけと報告があり確認に行くと貸室内は大量のゴミが積み上げられ、虫が湧いているという体験があるのではないでしょうか。
この記事では賃貸マンション、賃貸アパートの住人がゴミ屋敷になっている原因から居住者を退去させることが可能についてまとめさせていただきます。
目次
なぜ、賃貸マンションやアパートなどの集合住宅でのゴミ屋敷が発生してしまうのか?
賃貸がなぜゴミ屋敷化してしまうのでしょうか?
ゴミ屋敷になってしまう原因は足が悪いなどゴミが捨てずらい環境の場合やストレスやセルフネグレクトが原因でゴミをため込んでしまう原因となります。
また、生活の時間帯によってゴミ出しが難しい場合もあります。
マンションやアパートの賃貸管理会社は、ゴミ屋敷のゴミを勝手に処分して問題ないのか?
結論から言うとあゴミ事態にも入居者の所有権があるため勝手に捨てることはできません。
マンションやアパートの住人に迷惑が掛かっている場合、基本的にそれに対応するのは不動産会社の仕事んになります。
物件を所有している大家だとしても室内はもちろん、共用部に放置されている場合でも、ゴミを勝手に捨ててしまうことは認められません。
他の人からするとごみのように見えても、入居者からすると捨てたくないもの(ゴミではない)という場合もあるため、対応には注意が必要です。
ゴミ屋敷になっている賃貸をどのように対応するべきか
賃貸マンションでのゴミ屋敷を理由に、入居者を退去させることはできるのか?ゴミ屋敷化してしまった場合に大家さんや不動産管理会社が行うこととしては、「内容証明郵便の送付」や「行政機関への相談」が挙げられます。
- ゴミを片付ける様に口頭や文書で注意する
- ゴミを片付けるように内容証明郵便を送る
- 行政に相談する
- 明け渡し訴訟をする
ゴミを片付ける様に口頭や文書で注意する
ゴミを片付けるように口頭や文書で注意しましょう。
注意する内容としては、
「ゴミを放置していると、火災の原因になる」
「ゴミを放置していると、害虫が発生する」
「共用部分にゴミを置くと他の住民に迷惑」
などを伝える必要があります。
また、いつまでに片付けてくれるかなど書面や音声データで残すなどの工夫をしていおくことで訴訟まで行った際に役立てることができます。
対応してくれない場合は明け渡し訴訟することになるので注意しても対応してもらえなかったなどの事実を証明す場合があるからです。
ゴミを片付けるように内容証明郵便を送る
直接注意をしても聞き入れてもらえなかった場合は、内容証明郵便でゴミを片付けるよう通達しましょう。
内容証明郵便とは、誰がいつどんな内容の手紙を誰に宛てて送ったのか、日本郵政が証明してくれる
サービスです。
そのため、明け渡し訴訟になった際に証拠として提出することができます。
「20〇〇年〇月〇日までに共用部分(居室)のゴミを片付けてください。期日までに片付けられていない場合は、
契約を解除します」
期日を設けて記載しておくことが一般的です。
それでも対応してくれない場合は、ゴミ屋敷の住人に善管注意義務違反があると
証明できます。口頭での注意でゴミを片付けてくれない住人には、内容証明郵便を送りましょう。
直接注意をしても聞き入れてもらえなかった場合は、内容証明郵便でゴミを片付けるよう通達しましょう。
内容証明郵便とは、誰がいつどんな内容の手紙を誰に宛てて送ったのか、日本郵政が証明してくれる
サービスです。
そのため、明け渡し訴訟になった際に証拠として提出することができます。
「20〇〇年〇月〇日までに共用部分(居室)のゴミを片付けてください。期日までに片付けられていない場合は、
契約を解除します」
期日を設けて記載しておくことが一般的です。
それでも対応してくれない場合は、ゴミ屋敷の住人に善管注意義務違反があると
証明できます。
※善管注意義務違反とは善管注意義務とは、民法第400条(特定物の引渡しの場合の注意義務)における「善良なる管理者の注意義務」のことを指します。条文には「債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない」と明記されています。
行政に相談する
直接的な被害がある場合は警察や弁護士への相談も必要となります。
明け渡し訴訟をする
貸主が明け渡し訴訟を行っても借主と和解できず、裁判所が明け渡し訴訟を認めたときに借主を強制退去させることができます。
明け渡し訴訟が認められたときの立ち退きは強制のため、室内の借主所有家財などを貸主が借主の承諾なく撤去することや、賃貸物件の鍵を交換されることがあります。
所有権が無くなるためゴミの撤去費用等が大家負担になってしまう場合があります。
ゴミ屋敷の原状回復工事の金額と費用負担はどうなる?
訴訟を行ってゴミ屋敷の入居者が退出したとしても、そのゴミ屋敷を人が住める状態に戻さなくてはなりません。
結論として、ゴミ屋敷の場合でも、経年劣化や過失の範囲を考慮しなくてはならないため、壁紙や建具、設備を全交換になっても、その原状回復費用の全額を請求することは難しいということです。
当然ですが、ゴミ屋敷の状態から原状回復するために必要な費用は通常よりも遥かに高額になります。場合によっては百万円を超える金額が必要な場合もあるでしょう。
原状回復ガイドラインではこのように定められています。
原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、その費用は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました。
国土交通省のHP「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」
原状回復とは当初の状態に戻すという意味ではないことが定義されています。
そのためゴミ屋敷になっていたとしても経年劣化を考慮して請求する必要があります。
これは、綺麗に貸室を使ったとしても、ゴミ屋敷としてしまった場合でも同じように経過年数(入居年数)や過失の範囲を考慮して原状回復費用を計算する必要があります。
ゴミ屋敷のゴミは住人に所有権があり勝手に捨てることなどはできません。
基本的にはゴミの所有権がある住人に自主的に捨ててもらえるように動きましょう。
なかなか動いてくれない場合などは強制退去等の法的処置が必要ですが順を追って対応することから早めに動いて適切に対応することが必要です。