
遺品整理を進める際、「まだ使えるものを捨てるのはもったいない」「できれば少しでも現金化したい」と考える方は多いでしょう。
買取りに対応している遺品整理業者も多くいます。その際の注意すべき点、買取りできる物の種類や状態について解説します。
さらに物を売却する選択肢としてその他にも、リサイクルショップ・不用品買取業者・質屋の3つが代表的です。それぞれの特徴とメリットを具体的に解説します。

遺品整理と同時に買取してもらうメリット
遺品整理業者の中には、不用品の回収と同時に「まだ使えるもの」を査定・買取してくれるサービスがあります。
遺品整理では、片付けや運び出しに加えて処分費用もかかるため、思った以上に出費が大きくなりがちです。
しかし、整理の中で出てきた家電や家具、ブランド品などをその場で買取してもらえれば、支払総額から差し引かれる形で費用を抑えることができます。
別々にリサイクルショップや質屋へ持ち込む必要もなく、作業と同時に現金化できるのは大きなメリット。
ここでは、遺品整理と同時に買取を依頼することで得られる利点を具体的に解説していきます。
メリット1:支払総額をその場で下げられる
- 不用品処分の見積り額から、買取金額をその場で差し引き可能。
例)処分費用 8万円 − 買取金額 3万円 = 実際の支払いは5万円 - 家族がまとめて現金を用意する負担を減らせる。
メリット2:一括で済む
- 遺品整理・運び出し・査定・買取までワンストップ。
- 複数業者を呼ばなくても良いので、時間と手間を節約できる。
メリット3:古いものも値段がつく可能性
- リサイクルショップで断られるような古い家電や家具も、
→ 輸出用・資源用として買取対象になることがある。
遺品整理で買取りされやすいもの・できないものまとめ
買取りされやすいもの

家電製品
- 冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・テレビ・エアコン
→ 製造から5年以内が基本目安(業者によっては7年以内までOK)。 - パソコン・スマホ・タブレット・カメラ
→ 年式が古くても人気機種や状態が良ければ買取対象。
ブランド品・貴金属
- バッグ、財布、時計(ロレックス・オメガなど)、ジュエリー、金・プラチナ製品
- 質屋・専門店に持ち込むと高額査定になりやすい。
趣味・コレクション系
- 楽器(ギター、ピアノ、サックスなど)
- カメラ・レンズ
- フィギュア、鉄道模型、プラモデル、切手、古銭
- コレクター需要があるものは高値になりやすい。
贈答品
- お祝い事等で頂いたお皿
- 新品のタオル
- 石鹸セット
- 洗剤等のセット
贈答品に関しては高額にはならないものの処分品扱いにはならないため
買取りできないもの
家電製品(古い・状態不良)
- 製造から5年以上経過した冷蔵庫・洗濯機
- 故障しているテレビ・エアコン
- リモコンやコードなど主要な付属品が欠品しているもの
新品や綺麗でも不可になる製品
- ニトリやIKEAやホームセンター等の一部組み立て家具
- 座卓(和室などの低い机)
- ブランドでないオフィスチェア
- 和箪笥
- 椅子が欠品しているダイニングチェア
使用感が強い日用品
- 衣類(ノーブランドや使用感があるもの)
- 食器(大量の中古食器や使用済み調理器具)
- 布団やマットレス
安全性や衛生面でNGなもの
- 使用済みの下着・肌着
- 開封済みの食品や化粧品
- 医療機器(血圧計、吸入器などは中古流通不可の場合あり)
法律や規制で制限されているもの
- 刀剣・銃器(所持許可が必要)
- 複製品・コピー商品(偽ブランド品)
- 一部の骨董品や文化財(無許可売買は違法)
ポイント
- 「製造から何年以内か」 が家電買取の大きな基準。
- ブランド・貴金属・骨董品 は専門業者に査定を依頼すると高額になりやすい。
- 買取できないものは「処分費用がかかる」ケースもあるので、事前に確認が必要。
注意点
- 見積りの内訳を確認
「処分費用」と「買取額」がはっきり分かれているかチェック。 - その場の即決を迫る業者は注意
相場より安く買い取られるケースがあるため、可能なら比較する。 - 古物商許可業者か確認
許可がない業者は買取自体が違法。
遺品買取の注意点

1. 家電の年式・状態を確認
- 家電は 製造から5年以内が目安(冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ)。
- 5年以上経過したものは値段がつきにくい。
- 説明書・リモコン・付属品が揃っていると査定がアップ。
2. 価値があるものを間違って処分しない
- 古いカメラ・掛け軸・着物・切手・古銭などは素人判断で捨てると損。
- 骨董品や趣味のコレクションは専門業者に見てもらう。
3. 複数業者に査定依頼する
- 同じ品でも業者によって査定額が数倍違うことも。
- 可能なら2〜3社で比較するのがおすすめ。
4. 悪質業者に注意
- 「無料で引き取る」と言いつつ高額な処分費を請求するケースあり。
- 契約前に 見積書を確認、クチコミや許可番号(古物商許可)をチェック。
5. 遺族間でのトラブル防止
- 遺品の中で価値があるものは、先に家族間で分配を話し合う。
- 特に貴金属や骨董品は後から「勝手に売った」とトラブルになることも。
リサイクルショップで売る場合
街中や郊外に多く、持ち込みや出張買取にも対応している店舗が多いです。家具・家電・雑貨など幅広く対応しているのが強みです。
メリット
- 幅広いジャンルをまとめて売れる
家電や家具だけでなく、食器や趣味のもの、衣類なども買取対象。 - 手軽に現金化できる
その場で査定してすぐに現金化可能。
家電の買取目安
- 製造から5年以内の家電が基本対象
冷蔵庫・洗濯機 → 5年以内
エアコン → 5年以内
テレビ・電子レンジ → 5年以内 - 状態が良好で、説明書・付属品が揃っていると査定アップ。
- 傷・汚れ・故障があるものは「無料引取」や「処分費用がかかる」場合もある。
まとめ
遺品整理では、ただ処分するだけでなく「まだ価値のあるものをどう扱うか」が大切なポイントになります。
リサイクルショップに持ち込む方法もありますが、大型家電や家具を運ぶ手間がかかり、年式が古いものは引き取ってもらえないケースも少なくありません。
その点、遺品整理と同時に買取サービスを利用すれば、作業と査定を一括で依頼でき、支払総額からその場で差し引いてもらえるため、費用面でも手間の面でも大きなメリットがあります。
ブランド品や貴金属、趣味のコレクションなどは専門業者に査定を依頼しつつ、家電や家具は遺品整理業者にまとめて任せると効率的です。
遺品整理をスムーズに、そして経済的に進めたいなら、「整理+買取」をセットで考えるのがおすすめです。